運輸安全マネジメント

<運輸安全マネジメントの取り組み>

1. 基本方針

2. 重点施策と目標

3. 安全統括管理者

4. 安全管理規程

5. 組織体制及び指揮命令系統並びに事故、災害等に関する報告連絡体制

6. 予算

7. 年間計画

1. 基本方針

(1)社長は、輸送の安全確保が事業経営の根幹であることを深く認識し、社内において輸送の安全確保に主導的な役割を果たします。
また、現場における安全に関する声に真摯に耳を傾けるなど現場の状況を十分に踏まえつつ、社員に対し輸送の安全の確保が最も
重要であるという意識を徹底させます。

(2)輸送の安全に関する計画の策定・実行・チェック・改善(Plan・Do・Check・Act)を確実に実施し、安全対策を不断に見直すこと
により、全社員が一丸となって業務を遂行することにより、絶えず輸送の安全性の向上に努めてまいります。また、輸送の安全に関す
る情報については、積極的に公表いたします。

2. 重点施策と目標

(1)輸送の安全確保が最も重要であるという意識を徹底し、関係法令および安全管理規程に定められた事項を遵守します。

(2)輸送の安全に関する費用支出および投資を積極的かつ効率的に行うように努めます。

(3)輸送の安全に関する内部監査を行い、必要な是正処置または予防措置を講じます。

(4)輸送の安全に関する情報の連絡体制を確立し、社内においても必要な情報を伝達、共有します。

(5)輸送の安全に関する教育および研修に関する具体的な計画を策定し、これを適確に実施します。

(6)管理の受委託にあたっては、委託者および受託者は相互に協力・連携して、一丸となって輸送の安全性の向上に努めます。

(7)グループ企業が密接に協力し、一丸となって輸送の安全性の向上に努めます。

<平成30年度の目標>

1. 重大事故件数
目標 0件

2. 有責事故発生件数
目標 30%削減

3. 厳正な点呼による飲酒・酒気帯び運転ゼロ

上記の目標は、全社員が一丸となって取り組むべき全社統一目標ですが、営業所においては、全社統一目標を基本として個別
重点目標を定めています。さらに、班別や個人別の具体的な実践目標を定めて、目標カードを作成し個々人が携帯しております。
運行管理者が班会議や点呼時等に、繰り返し目標実践に向けて働きかけるほか、定期的に行う個人面談等を通じて、より集中的
な意識付けと具体的な取組みを展開してまいります。


全社目標設定


営業所での目標設定と管理

3. 安全統括管理者

専務取締役 斎田 稔

4. 安全管理規程

※別紙「安全管理規程」参照

5. 組織体制及び指揮命令系統並びに事故・災害等に関する報告連絡体制

※別紙「輸送の安全に関する組織体制及び指揮命令系統」参照

※別紙「事故、災害等に関する報告連絡体制」参照

6. 予算

社員に対する教習の他に 約312,000千円を予定

(1)最新機能※搭載車両導入:252,000千円
※衝突被害軽減ブレーキシステム、車両横滑り防止装置、車線逸脱警報、車両ふらつき警報、ドライバーモニター

(2)デジタルタコグラフ:15,000千円

(3)シートベルトモニタリングシステム:45,000千円
注)平成29年度の実績:278,800千円

7. 年間計画

(1)安全が最優先であることへの意識の徹底
 社内教習や会議等において、安全が何よりも優先すること、あわせて法令遵守の徹底を説き、お客様の尊い命に関わる危険を
惹起してはならないという安全第一の風土作りに努めます。また、飲酒運転の芽を摘み取るとともに、薬物乱用等の反社会的行
為を防止するために徹底した指導・教育を行います。

(2)施策の進捗状況の確認
 運輸安全マネジメント運営委員会を開催し、「輸送の安全に関する重点施策」の進捗状況を半期ごとに確認します。


運輸安全マネジメント運営委員会

(3)情報の伝達、情報の共有化の強化
 各営業所においては、主任運転士を中心とした班会議を開催し、情報の伝達および共有の強化を図るとともに、班単位での小
集団活動では、バス火災時の消火対応手順や、緊急時の対応や事故を未然に防止するための運転技術を再教育しています。

(4)教育、研修の充実
 本社で企画する各種の研修・実技教習等は、「安全運転訓練車」の導入に伴い、各個人の運転操作の弱点を気付かせること
ができるようになり、運転動作の見直しを図ることで、事故の減少につなげます。
 安全空間ラインを活用し、安全空間を認識・体得させます。また、外部研修やコンテスト等に積極的に参加し、事故防止と運転
技術の向上に努めます。

(5)事故事例の研究
 当社の事故事例をもとにその原因や防止策について検討し、再発防止に努めます。また、他社事例についても全社で共有し、
徹底討議することにより事故防止に役立てます。このため、事故情報、ヒヤリ・ハット情報の収集およびマップの作成など効果的
な分類・分析体制を整えます。

(6)安全管理部門による事故防止体制の強化
 運輸安全マネジメント担当者、添乗指導者、指導・教育担当者が連携し、意見交換、情報交換を行うことによって、事故防止体
制の強化を図ります。また、事故を複数回(1年に3回以上)惹起した運転士に対する教育の強化を図るとともに重大事故につな
がりかねない事故を識別し、事故発生後、速やかに事故再発防止研究会を開催して、再発防止に取り組みます。
 さらに、インターネットによる運転適性診断システム「ナスバネット」および「安全運転訓練車」を活用し、安全運転教育及び事故
防止対策として活用します。また、「ナスバネット」の運転適性診断結果を有効に活用し、運行管理者による運転士の個別指導を
さらに充実させます。

(7)健康管理、過労防止
 定期健康診断を実施し、その結果を有効に活用し、運転士の個別指導を充実させます。また、睡眠時無呼吸症候群スクリーニ
ング検査や、健康診断の結果、高血圧症と診断された50歳以上の者には脳疾患検査(脳ドック)を受診させるなど、健康管理、
過労防止に努めます。

(8)車両の管理
 定期点検整備のさらなる充実のために入念なチェック体制を整えます。また、リコール対象車両が発生した場合は、遅滞なく対
応します。

(9)安全に対する新規投資計画
 昨年度に引き続き、衝突被害軽減ブレーキシステム、車両横滑り防止装置、車線逸脱警報、車両ふらつき警報とドライバーモニ
ターを搭載した車両の導入を進めます。また、バスロケーションシステムを活用し、運行管理体制の向上を図ります。

(10)管理機能の強化
 運行管理者、整備管理者に対して、定期的に外部機関での講習を受講させ、管理機能の強化を図ります。さらに、各管理者を定
期的に集めて社内会議を開催し、管理知識と安全に関する情報の共有化を図ります。

(11)主任運転士の能力強化
 主任運転士の指導能力および情報伝達能力の向上を図るため、指名時に特別のカリキュラムの教習を実施します。

(12)運転士の教習拡充
 運転士に対して経験年数別・階層別教習をさらに充実させ、安全意識および運転技能の向上を図るため、入社3年経過後から、
定期的に繰返し運転士教習を実施します。

(13)添乗指導の強化
 当社添乗指導担当者が添乗することによる、輸送の安全に関する指導を継続します。さらにグループのバス会社である奈良
交通株式会社と連携し、相互に添乗指導を行い、お互いのノウハウを提供することで指導を強化します。

(14)運転技術の向上
 リムジンバス・高速バス・貸切バスの運転教習や積雪・凍結時走行教習、タイヤチェーン装着教習等、実践的な教習の回数を
さらに増やし、運転技術の向上を図ります。

<平成29年度運輸安全マネジメントの取り組み>

<輸送の安全に関する目標及びその達成状況>

  目標 結果
重大事件数 0件 1件
有責事故発生件数 30%削減 23.7%増
アルコール検知事案 0件 12件

※重大事故件数1件は自動車事故報告規則第2条第3号に該当する事故
※アルコール検知事案12件は全て出勤時の件数であり、飲酒・酒気帯び運転ではありません。

1. コミュニケーションの活性化

輸送の安全の確保に係る適確な情報伝達及びコミュニケーションの活性化を図るため、以下の各会議体を実施しました。

(1)全社会議(月1回実施)

(2)運行管理者会議(年3回実施)

(3)整備管理者会議(年6回実施)

(4)営業所での主任会議(平成29年度104回実施)

(5)営業所での班会議・小集団活動(平成29年度215回実施、延べ1,407名参加)


全社会議


運行管理者会議


整備管理者会議


主任会議


班会議・小集団活動


班会議・小集団活動

2. 本社部門による点呼立会

 運転士の体調管理はもとより、アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無確認、またスマートフォンの適切な携行方法等も点呼時の確認
事項とし、絶対に事故を起こさせない強い信念を持って点呼立会に臨みました。

(1)春の全国交通安全運動期間

(2)ゴールデンウィーク大輸送期間

(3)夏期大輸送期間

(4)秋の全国交通安全運動期間

(5)冬期大輸送期間


点呼立会


アルコール検知器での酒気帯びの確認


安全空間ラインによる安全空間認識・体得

3. 職場巡視

現業部門の安全状況を把握するため、経営トップ、役員および管理職による年末年始安全総点検を実施しました。


年末年始安全総点検 輸送計画報告


整備工場視察


ターミナル観察

4. 業務監査

 各営業所における接遇向上・労務管理・資産管理および環境対策等の業務が円滑かつ確実に運営されているかどうか、あわせて、事故防止
については運輸安全マネジメントに基づき確実に遂行されているかについて平成29年11月に監査を実施しました。


業務監査(鳥飼営業所)


業務監査(稲田営業所)


業務監査(布施観光営業所)

5. 事故再発防止への取り組み

 事故惹起者、指導・教育担当者および統括運行管理者(所長)と事故を振り返り、原因を究明し、事故を未然に防ぐための対応策を話し合う
事故再発防止研究会(平成29年度は234回)を開催し、再発防止に取り組みました。また、重大事故につながる事故を惹起した運転士を対
象として、事故の振り返り、原因の究明、再発防止策の検討(3カ月後、6カ月後)、現場での再現、実技教習などの事故惹起者特別教習を実
施しました。
 なお、年間3件(平成28年度)の事故惹起者(1名)に関しては、本社において事故防止研究会を実施し、事故再発防止と安全意識の高揚を
図りました。

6. 社員の教育、訓練の実施

 教育・指導を担当する部署が主体となって、入社6年次、9年次の経験年数別教習を新設したほか、教習主任制度を創設し、輸送の安全に
関する教育および指導へ注力しました。また、災害異例時における対応能力の習得のため、各訓練に参加しました。

(1)新入社員教習

(2)フォローアップ教習(入社6カ月後)

(3)スキルアップ教習(入社1年6カ月後)

(5)入社3年次・6年次・9年次教習

(6)運行管理者1年次教習

(7)新任主任運転士指名時教習

(8)高速バス運転士教習

(9)リムジンバス運転士教習

(10)積雪・凍結時の走行教習・・・詳細はこちらをご覧ください

(11)事故惹起者教習

(12)貸切バス運転士教習

(13)65歳以上適齢運転士教習

(14)大阪880万人訓練に伴う「訓練緊急地震速報」受診時の対応訓練実施

(15)「美原消防署・黒山警察合同訓練」に参加

(16)「危険物安全月間に伴う事業所合同消防訓練」に参加

(17)「松原市防災総合訓練」に参加

(18)「交通安全講習会」を八尾営業所で開催


新入社員教習 安全空間を認識・体得


エンジンルーム点検


車内機器類点検


入社3年次・6年次・9年次教習


安全空間を認識・体得


ナスバネットによる適性診断


高速バス、リムジンバス教習


トランクルーム内点検


非常口開放


積雪・凍結時の走行教習


タイヤチェーン装着


タイヤチェーン装着


「美原消防署・黒山警察合同訓練」


「危険物安全月間に伴う事業所合同消防訓練」


「美原消防署・黒山警察合同訓練」


交通安全講習会

7. 外部研修・セミナーへの参加

 外部研修および各種セミナーに積極的に参加し、事故防止と運転技能および関係法令等の知識向上に努めました。また、運行管理者を対象
とする安全・運行管理に関する研修へも参加し、運行管理者のスキルアップ向上を図りました。

(1)外部研修(クレフィール湖東)への参加

(2)インターネットによる運転適性診断システム「ナスバネット」を活用した適性診断受診

(3)運行管理者一般講習受講

(4)整備管理者講習受講

(5)社外講師によるリスク実態にあわせた安全運転・安全指導研修会の開催

(6)運輸安全マネジメントセミナー、講習等受講


運転適性診断システム「ナスバネット」を活用した適性診断受診

社外講師によるリスク実態にあわせた安全運転・安全指導研修会の開催

8. 飲酒運転、薬物乱用防止の取り組み

 飲酒・酒気帯び運転を未然に防ぐため、防止対策を多角的に検討・推進する飲酒運転防止委員会を開催しました。また、薬物乱用等の反社
会的行為を防止するために啓発活動を実施しました。

(1)飲酒運転防止委員会開催

(2)薬物乱用防止DVD視聴、ポスター掲示、セミナー出席

9. 内部監査結果および措置内容

(1)監査対象部門 営業部安全管理課(運輸安全マネジメント担当課)

(2)監査実施日:平成30年2月27日

(3)監査員:総務部長、総務課長、総務課員

(4)監査内容
①運輸安全マネジメントシステム運営の状況
②目標、計画に対する進捗状況
③その他、運輸安全マネジメントに関する事項

(5)監査結果
 昨年に引き続き、経営トップ、安全統括管理者および各部門の安全管理に従事する責任者が全社会議、運行管理者会議、整備管理
者会議、各営業所が実施する主任会議等の会議体へ出席する等、各種機会をとらえた現場巡視を行うなど主体的な関与が継続されて
いることについて評価を受けました。また、教育および指導を担当する部署が主体となって、入社3年次および6年次の教習などの階層
別教習を新設したほか、教習主任制度を創設し、それぞれの教習の充実が図られるなど、輸送の安全に関する教育および指導の充実
へ注力されていることが認められました。
 目標の達成度については、「重大事故0件、有責事故対前年比30%削減、アルコール検知事案0件」の目標が達成されておりません。
一方で、経営トップから事故防止に向けて社員一人ひとりに対して文書を配布し、事故件数の減少に向けて取組みがなされていることに
ついて評価を受けました。
 計画の進捗状況に関しては、引き続き「運輸安全マネジメント月次連絡票」を営業所ごとに作成し、計画(P)した目標達成に向けた具
体的な実行内容(D)を記載し、その実行状況を毎月報告(C)させ、改善すべき点を指導(A)しており、運輸安全マネジメントンのPDCA
サイクルが実行されていること、および実施年度途中で運輸安全マネジメント運営委員会を開催し、中途での実績を検証し、目標や取組
み方法などの見直しを行っていることについて評価を受けました。
 来年度に向けての課題については、運転士が不足しており、班会議の開催が難しい状況の中、それを補う形で小集団活動が開催され、
事故情報等の共有が図られている点について評価を受けました。来年度はより一層小集団活動を活用し、事故情報等の共有のみならず、
安全の確保についての意識を徹底することで、事故の未然防止につなげることを期待するとの指摘を受けました。また、昨年導入された
「安全運転訓練車」および各営業所に設置された安全空間ラインについて、形骸化を防ぐための取組みを営業所に委ねるのではなく、運
転士の教育および指導する部署が主体となってなされることを期待するとの指摘を受けました。
 運輸安全マネジメントに関するその他の事項として、「軽井沢スキーバス事故対策検討員会」において取りまとめられた「安全・安心な貸
切バスの運行を実現するための総合的な対策」に基づき、貸切バスのドライブレコーダーの装着およびこれによる映像の記録や当該記録
を活用した指導・監督が義務付けられ、実施されているが、さらにヒヤリ・ハット情報を収集・活用し運転士への効果的な指導に役立てるよ
う期待するとの指摘を受けました。また、運行管理者および運転士を対象に、事故分析および添乗観察から得られた営業所毎の事故の特
性・傾向を把握した上での外部講師による研修が実施されましたが、研修の効果を持続させるために、フォローアップが適切に実施される
ことを期待するとの指摘を受けました。

以 上

近鉄バス株式会社

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